痴人の愛

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先日、神楽坂で行われた舞台

痴人の愛~IDOTS~を観劇してきました。

主演女優「月船さらら」さんは美しくて白く

ボリュームある体とはっきりとした顔立ちをされていて

対し男優さんは少し痩せた、いかにも東洋人といった

顔立ちの「池下重大」さんでイメージにもぴったりでした。

小さな舞台を囲むようにお客が座りうす暗くなると

舞台が幕をあけました。

様々なシーンをどのように表現するのか興味がありましたが

時間軸の歪みと演出家「天願大介氏」の得意な人形劇を巧みに使い

演者の演技力もあり約1時間50分の舞台はあっという間でした。

再演があれば、是非また足を運びたいです。

原作:谷崎潤一郎の痴人の愛に忠実なセリフも多くあることで

小説を読んでいた私は、なるほどな…と思うシーンも多かったです。

私が初めて小説を読んだのは今からどのくらい前でしょうか

彼のことを悪魔主義者とレッテルを張る人がいたそうですが

彼の生きた年代を考えると、「知性も道徳感情もない妖婦」

にすべてを支配される(女尊男卑のような)思想

は、非難されるものだったのでしょう

しかし、逆にそれは、自分も魅せられてしまったら、感じてしまったら

自身も理性を崩し落ちてしまうかもしれないという恐怖の裏返しでも

あったのではないでしょうか

女性に魅せられ転落していく事…

女と悪と美と毒は

すべて一口で食べてしまう果実のようなものであって

どれか一つだけをぬいてしまっても

それは味気ない、旨味のない果実なのかもしれません

誰ですか!毒食らわば皿までなんて思っている家畜は!

もっと女性は甘美なものよ☆

そして、私もこのブログを覗く貴方達も

愚「おろか」という尊い徳に溺れることができる者

選ばれたエロティシズムに己を投じ

隷属を美徳とし高揚しひきつけあうことができる

愚か者なんでしょうね。

私達だって貴方達は一緒なんて思われるの嫌だけど

なくては生きていけない。

(まぁいなければ無理やり作り上げればいいのだけれど☆)

そういうと譲治の

「馬鹿々々しいと思う人は笑ってください。

教訓になると思う人はいい見せしめにしてください。」

というセリフが何だか分かるような気がしますね

それに対しやはりナオミの奔放さはいいですね

物語の最後はナオミが23才、譲二が36才で西洋館で

ナオミの言うとおり贅沢な暮しとメイドのいる生活を送っています

この後の2人がどうなったのか…

気になるところです☆

浅野ナオミ

写真は稚鮎の天ぷらです
さぁ、どの子からいただこうかしら☆

3 thoughts on “痴人の愛

  • 「痴人の愛」は高校生ころに読んだ記憶があります。
    忘れていましたが、そういえばヒロインの美少女は「ナオミ」というお名前でしたね。発表当時は「ナオミズム」という言葉も生まれたとか。
    平成の世に、新たなナオミズムを生み出した浅野さんにはピッタリのお芝居ですね。

  • ナオミというお名前を拝見しただけで、
    その場にひざまずきたくなるようになってしまいました。

    これからもヤプーの作品を拝見して、
    より一層の進化を遂げたいと思っております。

  • 理性が一度壊れた途端に坂を転げ落ちるるように転落し、堕落する自分にも陶酔する。壊れるのか強制的に壊されるのか、、。強制的に壊される出会いを夢見つつ、日々憂う今日この頃。

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